古代では、九鍼と言って目的に応じて色々な形の鍼が使い分けられていました。現在日本における鍼治療で使用されている鍼は豪鍼という世界的に最も細い鍼(髪の毛よりも細い鍼)がほとんどです。最近は、滅菌済みのステンレス製の使い捨て鍼が一般的になっています。
ステンレス製の鍼以外にも、銀鍼・金鍼を使って、経穴(皮膚)に直接刺入していくのが鍼治療です。
鍼は、改良を重ね先端が痛くないようにできていますが、皮膚の状態によって刺した時にチクッとする場合があります。チクッとした場合、痛みを我慢すると痛みの感覚が残ってしまうこともありますので、遠慮なく施術者に伝えて下さい。
鍼の仕方は、施術者によって違います。
鍼の効果は、筋肉をぼぐしたり、血行を良くしたり、自律神経を刺激し体調を整える効果もあります。
痛み以外のなんとなく不調という時など、全身の症状に合わせて、アプローチの仕方を変えていくことができるので、あらゆる疾患に対応できます。
鍼の種類
鍼には様々な種類があります。大きく分けて3種類です。
皮膚に刺す鍼-豪鍼、長鍼、三稜鍼
皮膚に刺さない鍼―鍉鍼、小児鍼
皮膚に貼る鍼-皮内鍼、円皮鍼
多くの鍼灸院では、豪鍼が使われています。日本製の鍼はメーカーによって違いますが、鍼先が痛くないように加工されています。昔と比べて、刺しやすく痛みを伴いません。
鍼の長さ
5分、1寸、1寸3分、1寸6分、2寸、2寸5分、3寸、、、など長さは用途によって様々です。
鍼の太さ
0番鍼から太いもので8番鍼、さらに太い鍼もありますがこれも用途によって様々です。
1番違うごとに0.02㎜ずつ変わります。0番鍼は0.14㎜、8番鍼は0.32㎜です。
※中国の鍼は、日本の鍼よりも太くて固いです。
鍼の材質
ステンレス鍼―使い捨てになります。
銀鍼・金鍼―医療器具で消毒して、繰り返し使用します。使い捨てではありません。
鍼の使い分け
症状・状態により違いますが、各流派によって用いる鍼は違います。
細い鍼を主流としている流派や、太い鍼を主流としているところもあります。流派の中でも施術者によって考えが違いますので、使う鍼もその施術者によって違います。